4時間目の始まり

4時間目は腸いい食べもの

勉強するコロンぼうや

この時間の授業は

『植物のバリア』

『和食・日本食』

植物のバリア

野菜や果物をはじめとする植物は、置かれた環境を自ら変えることができません。そこで植物は紫外線や外敵から身を守るために「フィトケミカル」と呼ばれる化学物質を合成します。この物質は「第七の栄養素」と呼ばれていて、フィトケミカルの持つ抗酸化力が、私たちの健康維持・改善に役立つと考えられて研究されています。

抗酸化力とは、「生物がサビるのを抗う力」と言い換えることが出来ます。「生命のサビ」ともいえる酸化は生きる上で不可避です。私たちは食べものを吸収したり呼吸したりしながら生きています。その栄養素と酸素が体中に張り巡らされた総延長10万キロ(地球を2周半)の血管を通して全身の細胞へ届けられます。体内では常に新しい細胞がうまれ、古い細胞が消滅するのをひたすら繰り返していて、酸素はその細胞が活動するエネルギーを生みだすのに必要です。そしてそのエネルギー燃焼時に「活性酸素」を生みだします。

この活性酸素は、もともとは外部からの異物を排除するものですが、過剰になると病気や老化の原因になるということがわかっています。
現代では、ストレスや紫外線、食品添加物や喫煙によって、基本的な生命活動以外の部分から活性酸素が増加しているといわれています。この健康や美容の大敵である活性酸素を無毒化するのがフィトケミカルなのです。

野菜が自分のバリアで外敵から自らの身を守っているイメージ
まめちしき

フィトケミカルって
なぁに?

第七の栄養素といわれているフィトケミカルは、野菜や果物の皮や種の部分に多く含まれているといわれているんだ。具体的にどんなものかというと、みんなも一度は聞いたことがある「ポリフェノール」や「カロテン」・「カテキン」のこと。だいたい1500種類くらい発見されているんだって。フィトケミカルは、マイナスイオンを持っていて活性酸素を水に変えるんだって!

第六の栄養素は?

第六の栄養素と呼ばれているのは、食物繊維のこと。大腸まで届く食品成分で炭水化物の一種。この食物繊維には、水溶性と不溶性の二つがあるんだ。腸内の汚れを排出させる力があるんだって。

7大栄養素図

和食・日本食

日本の伝統食「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。ここでいう和食とは、日本の伝統的な「食文化」のことをいいます。単に食べ物だけではなく、それにまつわる文化まるごとのこと。

その和食の基本に、ごはんを主食とした「一汁三菜」と呼ばれるご飯様式があります。ご飯と汁もの一品とおかずが三品で一汁三菜です。一汁三菜の主な献立は、海に囲まれた日本ならではの、無機質を多く含んだ海藻や魚介や四季折々の旬の野菜、そして豊かな紀行風土が醸し出す日本独自の「発酵食」や「だし」からうまれる「旨み」を含んだ豊かなものです。

未来食とさえ呼ばれる和食は、塩分(糖質も)の摂り過ぎに気をつければ、栄養バランスが取りやすいといわれています。前述のユネスコ無形文化遺産登録以来、国内外からより一層の注目を集めている、日本が誇る食文化なのです。

これまでの授業を振り返ってみると、和食は「今わたしたちが立ち戻るべき食文化」であることに皆さんも気づかれたと思います。次の授業では、その真骨頂といえる日本の発酵食を紹介します。和食の知恵を毎日の生活に取り入れて、心身の健やかな美しさを目指しましょう。

日本の一汁三菜のイメージ
まめちしき

お野菜だけで
栄ようは足りるの?

今、お米と野菜が中心の和食が注目されているけれど、縄文時代の終わりのころ日本に伝わったお米を作る技術は、弥生時代に本格的に広まったんだ。だから縄文時代までの長い間、ヒトは木の実や果物、それとお魚やお肉を主に食べていたんだ(白いゴハンなしでね)。それからずっと後になって、白いゴハンがみんなに広がり始めたのが江戸時代のこと。でも江戸時代のゴハン(いわゆる和食が中心ね)は、実は栄養が足りなかったみたいで、江戸時代のヒトたちは今のヒトたちより寿命が短かったんだって。ビタミンB1(うなぎやぶた肉に含まれている)の不足が引き起こす「脚気(かっけ)」という病気がはやっていたんだ。
短いあいだにゴハンはすごく変わったけど、ヒトのカラダはすぐには変わらないから、食べもののバランスがとっても大事なんだ。和食のいいところを取り入れて栄養バランスを考えることが、ぼくたちの時代の調和食になるんだ。

縄文時代と弥生時代の簡易年表

Q:第七の栄養素と呼ばれているのはどっち?

A1:フィトケミカル

A2:食物繊維